2014年7月20日日曜日

新電力の経営戦略その3

 新電力(PPS)認可業者は、この2年間で100社弱から250社を超える業者となっている。その中で自治体等の常時入札参加業者は、現在10社程度に至っている。又新電力(PPS)による供給電力シェアーは、やっと5%程度で、いまだに小規模状況にある。電力供給市場が95%あるので、競合によるリスクは少ないとみなされる。むしろ契約後一般電気事業者と比較して、電力供給の継続性にリスクが想定される。
 電力供給源として①公共施設からのゴミ発電 ②IPP市場(Jパワー等)調達 ③民間企業からの発電供給 ④再生可能エネルギーの買取 ⑤自前発電からの供給 ⑥一般電気事業者からのバックアップ ⑦日本卸電力(JPEX) ⑧PPSからの購入 ⑨その他 ①〜⑨までの電力供給源のポートフォリオをアグリゲーターとしてのマネジメント力が、新電力(PPS)のリスクヘッジとなる。常に仕入れ原価が、小売価格よりも安くなる手法を選定しなければならない。
 ①〜⑨の電力需給源のポートフォリオを、月ごと又は時間ごとに、A、ベース電源 B、ミドル電源 C、ピーク電源として適切にマネジメントを行うことが事業リスクの最大のヘッジとなる。
⑥の一般電離事業者からのバックアップ(3%以内30分同時同量)のインバランス料金を、最小限に抑えるマネジメント力が、新電力(PPS)の経営力となる。
 新電力の経営戦略その4は、新電力採算性改善について述べる。



2014年7月16日水曜日

新電力の経営戦略その2

 新電力経営戦略として重要なのは、電力ポートフォリオ(電力分布)をどのような形で、マネジメントするのか。というのは季節ごと又月毎の、①ピーク電源 ②ミドル電源 ③ベース電源との組合せシミュレーションが、新電力のアグリゲーターとしてのパワーとなります。
 当然、新電力と新電力とのアライアンス等も必要が生じてきます。30分同時同量制度におけるリスク管理は、金融工学でのファイナンス理論を駆使しなければ、経営は成立しない。新電力の営業認可は取得可能であるが、扱う件数が膨大になると、マネジメントにかなりのハイレベルな技術を要求されるため、企業としての継続性が非常に困難なのが現状である。
 

2014年7月15日火曜日

新電力の経営戦略その1

 新電力の認可企業は、250社を超えたと言われている。しかし、実際の自治体への入札業務に参加している認可企業は10社もない。電力小売事業には、事業リスクがあります。①30分同時同量制度 ②インバランス料金 ③託送料金 ④競合業者との価格競争 ⑤電力調達リスク等が挙げられる。どれ一つがクリヤーできなくても、倒産する可能性がある。

 特に、一般電気じ業者への託送料金及びインバランス料金の高さが、ネックとなり、新電力の事業収支を悪化している。2016年からの発送電分離を目指し、新電力のシェアを伸ばしつつあるが、5%にも満たない状況である。今後、新電力として又アグリゲーターとしてのマネジメントが重要である。

 具体的に、①一般電気事業者からの供給 ②火力発電事業 ③発電燃料調達 ④発電事業者からの購入 ⑤環境負荷の少ない(CO2 ゼロ)電力の扱い高 ⑥卸電力取引市場 ⑦その他等のポートフォリオの組み合せ技術(アグリゲーターによる調達技術と組合せ)が、重要である。

2014年7月13日日曜日

エネルギーの代替思考とは

 住宅の消費電力は、床㎡当り80Kwh〜300Kwhと言われている。照明はLED、使用するモーター及びポンプの効率を20%向上させると、80Kwh相当になります。又、建物の屋根・外壁及び窓、床面の断熱及び機密性能を向上させる。そして太陽ソーラー、地中熱を利用したヒートポンプ、コーゼェネレーションシステム、デマンドコントローラー等の再エネ及び省エネ技術を有効利用するスマートシティ構想を確立させれば、エネルギー問題は、かなり解消されると信じている。

2014年6月13日金曜日

再生可能エネルギーの経済性と種類について。

再生可能エネルギーの経済性
 再生可能エネルギーは、CO2がZEROという前提で普及しつつある。しかしエネルギーシェアは5%にも満たない状況で、太陽光発電のみが先行し、FIT(固定価格買取制度)のもと、国民負担の賦課金で成立している。
 賦課金は、固定価格買取価格に回避可能費用を差し引いたものである。この回避可能費用は、電力会社が固定買取価格にて、買い取ることにより、本来予定していた発電を取りやめ、支出を免れることが出来た費用(回避可能費用)のことで、再生可能エネルギーの固定買取価格の仕組みとなっている。
 経済産業省は、この費用の算定を行なっている。一般電気事業者は、発電コストの高い火力発電所の費用を総括原価として公表し、その費用に、回避可能費用を差し引き賦課金としている。


再生可能エネルギーの種類
 A、再生可能エネルギーとして①太陽光発電②風力発電③バイオマスエネルギー④太陽熱エネルギー⑤海洋エネルギー⑥地熱発電⑦中小水力発電 B、システムとして①系統サポート技術②スマートコミュニティ③発電・送電・配電の分離。





2014年5月15日木曜日

エネルギー管理システムとは

 エネルギー管理システムは、BEMS(ビル用エネルギー管理システム)、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)、CEMS(地域エネルギー管理システム)3つに大別される。この3つのうち、BEMSとHEMSを地域で、CEMSとしてエネルギーをアグリゲーターが最適化すれば、かなりの省エネが達成される。

①BEMSは大規模ビルではかなり浸透しているが、中小ビル、一括受電されているマンションにエネルギー管理システムは浸透されていない。中小ビルを複数棟にまとめエネルギーを融通する仕組み、又、マンションについては個別にHEMSを採用できる仕組みと助成金が必要である。システム費用としてイニシャルコストは高くなるが、システムによる省エネにより、ランニングコストは削減され、電力負荷の削減、CO2の削減、地球温暖化温暖化対策に効果がある。

2014年5月11日日曜日

原子力発電所の弱み、マグニチュード9以上の巨大地震が発生したデータとは?

 マグニチュード(M)9以上の「超巨大地震」は、20世紀以降、東日本大震災を含めて世界で6回発生している。チリ地震(M9.5:1960年)、アラスカ地震(M9.2:1964年)、アリューシャン列島沖地震(M9.1:1957年)、東日本大震災(M9.1:2011年)、スマトラ島地震(M9.0:2004年)、M9.0:カムチャツカ地震(M9.0:1952年)、それぞれ南米、米国、米国、日本、インドネシア、ロシアで発生している。

 超巨大地震の発生場所は、チリ、アラスカ、三陸沖など環太平洋に集中している。いずれも海のプレート(岩板)が陸のプレートの下に沈み込む海溝(境界部)で起きている。こうした場所は、巨大地震の危険地帯で、繰り返し発生している。M9級の地震は、歴史的に平均300年間隔で発生してきたとデータ的に証明されている。

 南海トラフは、1707年江戸時代に発生し、M9級であった。このためにプレート境界で起きる地震は、防災上の観点からM9級クラスの巨大地震が、日本に発生する可能性が高いと想定される(日経データクリップより)

 日本での原子発電建設の今後の是非は、以上の背景から巨大地震の発生の可能性の低い他国と異なり、経済的な論理よりも安全性を優先した論理を、優先的に考えるべきである。