2025年6月27日金曜日

建設業デジタル化推進提案書総括

『建設現場デジタル化推進 提案書』 ― DXによる施工品質向上・人材不足解消・合理的現場運用体制の構築 ― 1. 提案の目的と背景 日本の建設現場は今、**熟練技能者の高齢化と若手人材の定着難**により、構造的な人手不足の深刻化に直面しています。加えて、**紙帳票や属人的業務に依存した運用は、品質・安全・効率すべてにおいて限界を迎えつつあります**。 こうした課題に対し、本提案は「2DからBIMへの変換」「現場管理アプリと通信インフラの最適構成」「空間可視化による遠隔支援」という**3つの柱を融合させた統合的システムの構築によって、デジタル化を着実に推進し、人材課題までも解消できる**ことを目的としています。 2. 提案の全体構成とシステム概要 [現場技術者] ←→ [iPad Pro + eYACHO + cosait + BIM/ARアプリ] ←→ [Starlink + 高性能Wi-Fiルーター] ←→ [クラウド(BIM360/Box等)】                    [Quest 3, Webカメラ]     [設計部門・管理者・発注者] 本構成は、ハード・ソフト・通信環境を一体的に整備し、**帳票・写真・BIM・進捗情報をリアルタイムかつ立体的に共有・管理する「デジタル現場の運用基盤」**となります。 3. デジタル化推進の5つの柱(統合編) ① 既存2D資産からのスムーズなBIM化 ⭕️- GLOOBEやBricsCAD BIMの導入により、Jw_cadやDWG形式の2D図面を活かしつつ**構造・属性を自動抽出した3Dモデル化**を実現。 - IFC形式でクラウド・他BIMシステムとの連携も可能で、**デジタル情報基盤の第一歩として費用対効果も高い**。 ② アプリによる現場情報の統合と省力化 ⭕️ **eYACHO**では、図面・帳票・写真・音声・動画を1つの画面で統合し、**現場業務のすべてをiPad上で完結**。GEMBA Talkによるビデオ連携や帳票自動作成機能により、**報告書作成や情報展開の労力を大幅に削減**。 ⭕️**cosait**は、配筋写真の分類・帳票化をテンプレート化することで、**配筋検査のミス撲滅・品質記録の標準化**を実現し、電子納品にも対応。 → 両者の連携により、「施工管理 × 品質記録」の両軸を無理なくカバーでき、**属人性を排除した“記録品質のデジタル標準化”が成立**します。 Cosaitは、e-Yachoの弱みである配筋写真品質管理をカバー可能である。 ③ 通信基盤とインフラ整備 - Starlink(衛星通信)とWi-Fi 6対応屋外ルーターにより、山間部・仮設・地下でも安定高速通信を提供。 - VPN対応により、**発注者・自治体案件などセキュリティ要件にも対応可能**。 - クラウドストレージと接続し、全拠点・関係者間でリアルタイム共有が実現。 ④ AR/VR/MRを活用した空間可視化とレビュー - Quest 3やiPadで、BIMモデルや現況点群を使った干渉検証や施工手順確認が可能。 - 遠隔地にいる設計者・発注者との**空間を共有した合意形成が可能**。教育や安全訓練にも展開できる。 ⑤ 遠隔施工管理・省人化・多様人材参画へ - 全ての記録・映像・進捗がクラウドに集約され、**遠隔からの意思決定・指示・確認が可能**。 - 技能者は現場、管理者は本社、設計者は設計拠点、発注者は離れた支店から――**分業と連携の再構築**がDXにより現実になる。 4. 利害関係者別の価値と効果 | 立場 | 得られる効果 | ⭕️| 経営者・管理部門 | 少人数でも複数現場を統括可能。**人的依存を削減し、標準化・再利用性を高める** | ⭕️| 現場監督・技術者 | 帳票・写真整理・報告が**現場で完結**。移動負担・事務量を削減 | ⭕️| 設計者・監理者 | BIM上での空間レビューや干渉検知により、**施工後のトラブルを事前防止** | ⭕️| 発注者・施主 | 進捗・品質の可視化と説明責任の担保。満足度と信頼性を向上 | | 若手・女性・地域人材 | 安全教育・支援体制が整い、**柔軟で継続可能な現場参画の道が拓かれる** | 5. 総括:デジタル統合システムが未来への道標 本提案の最大の価値は、**個別のアプリ・ツールではなく、「最適化された構成によって業務全体を再設計すること」にあります。** 1️⃣ハード(iPad・Quest・通信) 2️⃣ソフト(eYACHO・cosait・BIM・クラウド) 3️⃣インフラ(通信・セキュリティ・連携基盤) **この三位一体のデジタル化推進整備によって、建設現場が“人に依存せず持続可能な業務体制”へと移行でき、人手不足解消に寄与可能なシステムである。

2025年6月26日木曜日

自治体へのデジタル化推進メッセージ総括2Dデータか固定資産税再建築評価点算出へ

はじめに ⭕️2D図面からBIMを基盤とした「見える化」システムを構築し、自治体の資産管理(固定資産税の可視化)・説明責任・公会計改革を包括的に支援する提案書を考えて見ませんか❓ この提案書は、技術的妥当性・社会的有効性・運用可能性を備えた構成になっています。 ⭕️提案書: BIMを活用した公共施設デジタル化推進と運用コスト見える化の統合プラットフォーム構築 提案先:自治体(庁舎・学校・公営住宅・文化施設等を所有管理する地方公共団体) 提案者:旧ケンテックスジャパン鑑定一級建築士事務所 1. 提案の背景と目的 近年の老朽化施設の増加、PFI・公募事業の活発化、会計制度改革(複式簿記化・資産台帳整備)、住民からの説明責任強化などにより、自治体には次のような課題が生じています: - 老朽施設の**客観的な更新判断が困難** - コストや更新費用に関する**住民への説明責任が不透明** - 財産情報・維持管理・省エネ・公会計が**部局間で分断** そこで、本提案では、**2D図面を起点にBIMを中核とした「見える化」基盤を構築し、運用・評価・住民説明責任まで一気通貫で支援**することを目指します。 2. システムの全体概要(2D→BIM→公会計) [現況2D図面]  ↓(BricsCAD / GLOOBEでBIM変換) [BIMモデル:3D+属性情報]  ↓ [部位別見積書生成(数量+単価)] [再建築評価・固定資産額] [維持管理コスト・LCC・省エネ性能]  ↓ [複式簿記・資産台帳・住民説明資料出力] 3. 活用技術とプロセスフェーズ フェーズ1:現況2D図面のBIM化(BricsCAD または GLOOBE) | 内容 | 使用技術 | 1️⃣2D図面を読み込み、構造・設備・仕上げ情報を自動抽出 | 2️⃣BricsCAD BIM / GLOOBE |ソフトの活用 3️⃣モデル化と部屋情報・属性設定 | レイヤー・注記情報の変換 | 4️⃣IFC出力で情報共有・公共施設台帳と連携 | IFC / Excel連携機能 | フェーズ2:部位別見積書と再建築評価額の算出 - BIMモデルから自動で面積・部材数量を抽出 - 材料単価マスタと連携し**部位別工事費を見積** - 固定資産税の**再建築費評点を計算**(Excelテンプレート) フェーズ3:PFI公募資料・LCC(ライフサイクルコスト)分析 - 各構造・仕上げ部材の更新周期・耐用年数を反映し、**30年間の維持管理・更新費用を算出** - エネルギー消費量(省エネ性能)をモデルから計算し、**ZEB評価や補助金申請資料**へ反映 - **複式簿記台帳情報(減価償却、資産価格)を自動出力 4. 提案の効果と波及性 | 効果 | 説明 | |------|------| | ✅ 公共施設の価値・老朽化可視化 | 定量的な再建築費・維持費データにより更新判断が迅速に | | ✅ 住民説明責任の強化 | 地元説明会やパブコメ資料にBIMモデル・数値根拠を活用 | | ✅ 財務・技術・省エネの統合 | 部局横断のデータ管理と公会計連携が可能 | | ✅ PFI・官民連携への対応 | 民間提案の評価基準として数量・コストが整備可能 | 5. 適用事例 - **町田市**:GLOOBEを活用し、建築台帳・減価償却情報を3D化し、資産管理台帳と連動 - **印西市・島原市**:公共施設をBIMで統合管理し、再建築費を可視化 - **建築コンサル**:BricsCADから数量拾い→LCC試算→資産評価へ展開中の例あり 6. 導入ステップ案(モデル施設:A庁舎) | ステップ | 内容 | 期間目安 | |----------|------|----------| | Step1 | 2D図面整理・BIMモデル作成 | 約1ヶ月 | | Step2 | 属性入力・部材数量集計 | 約2週間 | | Step3 | 見積書・再建築評価額算出 | 約2週間 | | Step4 | LCC・複式簿記テンプレート整備 | 約1ヶ月 | | Step5 | 住民説明・公募資料作成支援 | 2週間程度 | 7. まとめ 本提案は、**現況の2Dデーター図面を入口に、自治体の保有施設情報をBIMにより統合し、財務・環境・市民説明までを一元化する「行政DXの実践モデル」**となります。 住民説明責任をデータとビジュアルで支援する本仕組みは、将来的には**公共施設更新の優先順位付け・再編計画の意思決定支援基盤**にも発展可能です。