2016年1月14日木曜日

PPP、PFIとは?

 PPP(Public-Private-Partnership):は、小さな政府を志向し、「民間にできることは民間に委ねる」という方針により、民間事業者の資金やノウハウを活用して社会資本を整備し、公共サービスの充実を進めていく手法の一つである。
 PPPは、新しい官民協力の形態であり、事業の企画段階から民間事業者が参加するなど、より幅広い範囲を民間に任せる手法である。又PFIも、公共施設の民間への新しい発注方式で、PPP手法の一つでもある。
 
 『PFI:Private Finance Initiative』とは、公共施設サービスの提供に際して、公共施設が必要な場合に、従来のように公共が、直接施設を整備(計画、設計、施工、運営維持管理等)せずに、民間資金を利用して、民間に施設設備と公共サービスの提供をゆだねる方式である。
 この方式は、所有権の位置づけによりBOT、BTO、BOO、BLT4つの方式があり、公共機関、民間事業者及び金融機関の三大プレーヤーのそれぞれの役割によりプロジェクトが運営管理される。
4つの方式
BOT(Build-Transfer-Operate):民間事業主体が自ら資金調達を行い、施設を建設(Build)後、その施設の所有権を当該政府に移転(Transfer)し、その引き換えに施設の使用権(Operate)を得る方式。
BTO(Build-Operate-Transfer):民間事業主体が自ら資金調達を行い、施設を建設(Build)し、一定期間(10~30年間)運営(Operate)管理を行って資金を回収後、公共にその施設を移管(Transfer)する方式。
BOO(Build-Own-Operate):BOT方式の変形で、施設を建設(Build)し、保有(Own)、事業を運営(Operate)する方式で、所有権は公共に移転しない方式。
BLT(Build-Lease-Transfer):民間事業主体が自らし金調達を行い、施設を建設(Build)後、政府等の公共機関にその施設をリースし(Lease)し、あらかじめ決められたリース代を得て資金回収するともに、施設使用権(Operate)を得る方式。所有権は民間側にある(割賦販売的な思想)。

 




 

2016年1月12日火曜日

CM及びPMとは?

 『CM:construction management』とは、コンストラクション・マネジメントの訳で、建設全般にかかわる建設・推進・管理業務、すなわち建築全般のマネジメント業務をいう。CM契約方式は、建築主の代行業務と解釈され、設計及び施工会社等の調整マネジメント業務を行うことで、建設全般のコスト削減を行う契約方式で、この契約方式を施主視点で管理する人材をCMrという。
 設計、施工の分離発注契約及び設計施工一式発注契約請負契約の在来契約方式とは、異なる発注契約方式である。2002年2月、国土交通省が『CM方式活用ガイドライン』として、基本的な指針となるものを策定されている。

 『PM:Project manager』とは、プロジェクト・マネジャー:事業計画から建設完成、運営維持管理までのプロセスシステムの構築・管理する立場の人材である。建設では、発注者が事業計画を、設計事務所が概略設計・基本設計・実施設計を、発注者が入札及び随契又は特命のプロセスを経て施工会社が決定される。
 このプロセスを発注者の視点で管理する人材をいうPMという。発注者、設計事務所、施工会社の3つの立場を、PMは調整する役割がある。又PMは、CM契約方式、FM、BIM等を理解しながら建設の最適マネジメントにより最小コスト目指し、遂行していく立場にある。

2016年1月11日月曜日

FMとは?

 『FM(Facility Management)』ファシリティマネジメントは、アメリカでまれた新しい経営管理方式。
業務用不動産(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(費用対効果最大)で保有し、賃借し、使用し、運用し、維持するための総合的な経営管理活動である。
 マクロ的な視点の経営①(施設の在り方の追及)FM、ミクロ的視点の管理②(各施設の効率化、低コスト化、適正品質化の追及)及び日常業務③(施設の運営維持の合理化、計画化、数値化)FMがある。FMは、維持管理費用の最適化により最適な施設の環境とコスト削減が図られる。

 FMの活用によって期待される効果は、下記のようなものがある。
①省エネルギーを実現し、コスト低減と共に環境負荷削減
②最適な施設の選択肢が可能
③ファシリティ改革により、施設関連費用の最小化並びに経営効率の最適化
④施設を利用される利害関係者に快適及び魅力的な施設の提供等

 

BIMとは?

 『BIM(Building Information Modeling)』テクノロジーを使用すれば、1つまたは複数の正確な仮想の建物モデルをデジタルで建設できる。各段階を通じた設計がサポートされているため、手動プロセスよりも優れた解析及び制御がが可能となる。完成時にコンピューターによって生成されるモデルは、正確な形状とデータが含まれている(仮想竣工建築物)。
 それらは、設計(意匠・構造・設備)、積算、見積、施工そして竣工後の維持管理等の情報を共有するとともに、可視化(見える化)による干渉事前チェツクが可能となる。したがって出戻り作業が少なくなり、コスト削減及び労務費比率の削減となる。労働者不足の建設業の経営戦略として、今後期待できる建設情報化(2D及び3D情報をIFCのフォーマットにてBIM化を行う)の1つでもある。
 

2016年1月9日土曜日

BIMとFMのデータの互換性とは

 BIMモデルとFMのデーターの互換性は、『IFC』をベースに開発されたデータ交換により行われる。設計・施工の段階から維持管理運用段階へと建物の情報を受け渡すために使われるデータフォーマットで、建物を維持管理していくための関連情報を最大限に伝えることになる。
 しかしBIMモデルの属性情報は、膨大になるために、FM用としての施設情報データーを、取捨選択し簡素化する必要もある。BIMモデルそのものをFM用データにすると、データ容量も多くクラウドコンピュータの負荷も大きくなる。したがって、FM用のデーターは、建築・設備その他データのBIMモデル属性情報の選択肢マネジメントが特に重要である。

 (BIMソフトウェア+BIMデータフォーマット+FMソフトウェアとの連携)は、意匠、構造、設備、施工図の整合性とFMシステム(建物維持管理システム)を、『バーチャル竣工』により、建設プロジェクトを実施させることが可能となり、その結果下記の項目が期待できる。
①建築・設備との干渉が事前にチェックされ整合性が確保
②法規的な検証、意匠及び構造並びに設備との整合性を3Dモデルで立体的に確認
③鉄骨及び鉄筋の納まりと数量確認
④構造計算、構造図、構造積算、意匠積算を含めたBIM属性情報として共有
⑤建物のライフサイクルコスト(LCC)は、建設費が全体の25%、LCCの残り75%が運用コスト75%となり、設計・施工・FM(Facility Management)の一貫したBIM活用の視点がLCC削減となる。



 

2016年1月4日月曜日

建物の省エネ技術にBIM及びFMシステムを取り入れる。

建物の省エネ技術にBIM及びFMシステムを取り入れる。www.cantechsjapan.com

 建物の省エネの効率性には、太陽光等の自然エネルギーの環境性能と、空調機器や照明などの性能との適切な組合せにより、省エネ性能を最大に発揮することが可能となる。
 米国では、設計及び施工段階での建物情報共有のBIMデータを、加工してFMに引き継ぐことが行われ、BIMとFMとの相乗効果による省エネ性能の最大化を狙いとしている。
 しかし、BIMで様々なシミュレーションを行いながら省エネ性能の高い建物を設計及び施工し、BEMS(ビル用エネルギー管理システム)やHEMS(住宅用エネルギー管理システム)等を駆使して省エネ運転を追求している日本とは同様である。
 日本の省エネシステムの仕組みに、米国で行われているBIM活用手法にFMを取り入れることは、さらなる省エネの効率性をアップさせ、建物のランニングコストを下げることにある。

2016年1月3日日曜日

BIMとFMの有効性について

BIMとFMの有効性について
 BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称でコンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程での情報を有効活用することで、プロジェクト経営の合理化を図る建設経営手法の一つである。
 FMとは、Facilities Management(ファシリティ マネジメント)の略称でアメリカで生まれた新しい経営管理方式で、企業、団体等が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画管理活用する経営活動である。
 FMは、建築物をBIMにより情報共有する『可視化』により、維持管理業務を効率的に行う経営戦略でもある。
 建築物のイニシャルコストとランニングコストの比較は、概ね25:75と言われ、ランニングコストはイニシャルコストの約3倍と言われている。ランニングコスト維持管理費は、法令点検・定期点検保守費、清掃費、警備費、経常的修繕費等がある。